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超加工食品がどんな影響があるのかを解説
~身体に悪い?こころにも?~更新日:2025/03/17

リンゴとドーナツの画像

最近、超加工食品という言葉を耳にして、気になっている方は少しずつ増えている印象です。

まだ一般的ではないため、できるだけ科学的な根拠に基づいた情報を入手したい方や、超加工食品について知ったうえで生活にも落とし込みたい方が多いかと思います。

ここでは論文の情報をもとに、超加工食品が身体やこころに与える影響について説明します。

超加工食品とは

「超加工食品」という言葉を聞いたことはありますか?
複数の食材を工業的に配合して製造される、加工度の高い食品のことを「超加工食品」と呼びます。この食品を製造加工の度合いで分類する新しい考え方は、近年、食品の健康への影響を評価する上で注目されています。

日本人の食事における超加工食品の割合

新鮮野菜とジャンクフード画像

2023年に篠崎らにより日本人2,742人の8日間にわたる詳細な食事記録データを基に、超加工食品の摂取量が報告されました。

この研究では米国ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究者らが開発した食品分類の枠組みを用いて、加工レベルが低い順に「未加工/最小限の加工」「基本的な加工」「中程度の加工」「高度な加工(超加工食品)」の4段階に分類し、1日あたりのエネルギー摂取量に対する超加工食品の割合を解析しています。

加工レベル別の食品の例

その結果、低く見積もっても日本人のエネルギー摂取量の28%程度は超加工食品が占めていることが報告されました。※1)

エネルギー摂取量あたりの食品加工レベルのグラフ

超加工食品は便利で手軽に楽しめる食品として、現代の食生活には欠かせない存在です。しかし、その中には脂質や糖質、塩分が多く含まれる一方で、たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルが少ない食品もあります。

超加工食品が私たちの身体やこころの健康にどのような影響を与えるか、次項では近年報告された研究について紹介します。

超加工食品の影響は多岐にわたる

肥満の男性とジャンクフード

Pagliaiらはスペイン、フランス、ブラジル、イタリア、アメリカで実施した参加者183,491人の3.5年から19年間の追跡調査(13件)のデータを用いた超加工食品の摂取と健康状態の関連の解析結果について報告しました。

その結果、超加工食品の摂取により脳血管疾患の発症、心血管疾患の発症、うつ病、肥満のリスクが上昇することが明らかになりました。※2)

超加工食品の摂取による発症リスク

超加工食品はこころにも影響する

ジャンクフードと悩む女性

超加工食品の摂り過ぎは身体だけでなく、こころの健康にも悪影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになりつつあります。

2023年にはContreras-Rodriguezらにより152人の成人において超加工食品の摂取とうつ症状と炎症の関係について報告されました。

その報告によると、超加工食品の消費量に依存して全ての参加者のうつ症状が増強する傾向があり、特に肥満の人においてはその影響が強かったとのことです。そして、超加工食品によるうつ症状の増強には炎症が媒介していることが明らかになりました。※3)

炎症は、脳内の神経伝達物質のバランスを乱し、ストレス耐性や気分の調整に関与する脳の働きを低下させることがあります。​

さらに、近年、超加工食品に含まれる添加物がヒトの腸内細菌叢に直接的に作用して炎症を引き起こす可能性も報告されています。※4)
その結果、超加工食品による腸内環境の悪化により、腸と脳をつなぐ"腸-脳軸"が影響を受け、こころの健康に悪影響を及ぼすことも考えられます。​

脳腸相関

※こころとからだの健康に深く関わる食物繊維~炭水化物の役割 ②~

こころの健康と食事の関係は見過ごされがちですが、日々の食生活はこころの状態にも大きく影響します。

食物繊維、特に水溶性食物繊維は、腸内環境を善玉菌優位にする作用により炎症を抑えるなどの健康効果が期待できます。​

そして、より積極的に炎症の対策をしたい方には炎症を抑える働きがあるEPA(エイコサペンタエン酸)の摂取を心がけるとよいでしょう。EPAはn-3系多価不飽和脂肪酸の一種で魚介類、特に青魚に多く含まれています。日々の食生活に魚介類を取り入れましょう。

※魚を食べてこころもからだも元気に!~EPAとうつ~

まとめ

ジャンクフードと新鮮野菜の別れ道

超加工食品は便利で手軽で、私たちの生活を豊かにしてくれる一面があります。
一方で、超加工食品を摂り過ぎると、栄養バランスの乱れと腸内環境の悪化の2点から肥満や糖尿病、心血管疾患だけでなく、うつ症状や不安といったこころの問題にもつながることがあると考えられます。

私たちの健康は日々の食品の選択によって大きく変わります。
魚介類や新鮮な野菜、果物など季節の食材に目を向けて食事を用意して、超加工食品を摂り過ぎにないように心掛けましょう。

(参考文献)
※1) N Shinozaki, et al. Nutrients. 2023 Mar 6;15(5):1295.
※2) G Pagliai, et al. Br J Nutr. 2021 Feb 14;125(3):308-318.
※3) O Contreras-Rodriguez, et al. J Affect Disord. 2023 Aug 15:335:340-348
※4) B Chassaing, et al. Gut. 2017 Aug;66(8):1414-1427