お役立ちコラム
更年期症状の原因は
自律神経の乱れ?
~女性ホルモンの変化とこころとからだ~更新日:2024/12/24
「イライラしたり寝つきが悪くなったりしているけど、これって更年期のせい?」
「ホルモンバランスが崩れているときって、どうやって改善すればいいんだろう?」
更年期に現れる心や体の不調は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少と、それに伴う自律神経の乱れが原因とされています。
ここでは、更年期の症状について仕組みや改善策を解説し、日常生活でできるケアなどについて説明します。
快適な日々を取り戻すためのヒントを一緒に見つけていきましょう。
女性ホルモンの変化とこころとからだ
自律神経・女性ホルモン・更年期症状は密接に関係している
更年期に差し掛かると、急に汗をかいたり、イライラしたり、体や心にさまざまな変化が訪れます。多くの女性が感じるこの体の変化は女性ホルモンである「エストロゲン」の減少に起因します。エストロゲンの減少は、精神を安定させる脳内の神経伝達物質「セロトニン」にも影響して、不安やイライラなどの精神的な症状を引き起こします。また、エストロゲンの減少により体温調節や心拍数を司る自律神経が影響を受け、ほてりや汗、動悸、不眠といった更年期特有の症状が現れます。※1)
更年期はホルモンの変化によるメンタルの不調に加えて、ライフイベントやストレスなどから自律神経のアンバランスが重なりやすい時期といえます。
更年期の症状にはまず日常生活の見直しがおすすめ
更年期の症状をやわらげるために生活習慣を見直してみましょう。まず見直したいのが睡眠の質を高めることです。十分な睡眠は自律神経のバランスを整え、ホルモンの乱れによる症状を和らげる効果があります。快適な睡眠を得るためには、就寝前のスマホやパソコンの使用を避け、リラックスできる環境を整えることが大切です。
また、運動を日常的に取り入れることも効果的です。自律神経の働きは血流に影響するため、血流の悪化は自律神経のバランスを乱す原因にもなります。※2) 軽い有酸素運動やストレッチは血流が改善し、交感神経と副交感神経のバランスを調整する助けになります。ウォーキングや散歩などを習慣にするのがおすすめです。
他にも、自律神経を整える方法としてツボが知られています。ツボを押すことで血流の促進が期待できます。緊張やストレスの多い現代社会では、副交感神経を刺激することでリラックス効果の期待できるツボ押しを取り入れるのもよいかもしれません。
睡眠や運動だけでなく、食事の見直しも忘れてはいけません。バランスの取れた食事を摂ることが大切なことはもちろんですが、胃や腸など消化管は副交感神経の影響を受けます。※3) リラックスして楽しく食事をすることが大切です。
食事と血流の関係で注目したいのが、食事誘発性熱産生です。食事誘発性熱産生 (Diet Induced Thermogenesis:DIT)とは食べ物を消化、吸収、代謝する過程でエネルギーが消費されますが、その一部が熱として放出されるため、食後、体内で熱が産生される現象のことです。
特にたんぱく質を多く含む食事を摂ったときに顕著にみられ、食後の体温上昇は血流の促進にもつながります。※4)
植物性のたんぱく質を含む豆腐や納豆などの大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは腸内細菌によってエストロゲンと似た働きをするエクオールに代謝されます。そして、牛乳から見つかったアミノ酸であるトリプトファンはセロトニンの原料となります。どちらも手軽に摂れるたんぱく質源です。苦手でない方は普段の食事に取り入れるのがおすすめです。
そして、自律神経のバランスを保つために注目したいたんぱく質源は魚、特に青魚です。青魚に多く含まれるn-3系不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)には自律神経のバランスを整える働きがあります。更年期は青魚を食事に取り入れることやサプリメントを活用することでEPAを意識して摂りましょう。
※魚を食べてこころもからだも元気に!~EPAとうつ~
どうしてもつらいなら病院へ
更年期の症状は個人差があり、つらくて治療が必要な人もいれば、ほとんど感じずに過ごせる人もいます。つらい場合は、医療機関に相談しましょう。更年期症状で受診をするときの診療科は産婦人科や内科、精神的な症状がつらい場合は精神科や心療内科を視野にいれましょう。更年期の症状の治療には、減少したエストロゲンを補充するホルモン補充療法が有効とされており、漢方薬を取り入れる方法もあります。また、セルフケアの一つとしてサプリメントを取り入れることもおすすめです。
なかには、自身の症状が更年期の症状と自律神経の乱れによる不調のどっちが原因か疑問に思う方もいるでしょう。両者は症状が似ていますが、原因が女性ホルモンの変化が理由なら更年期の症状、ストレスや生活習慣の場合は自律神経の乱れが原因だと考えられます。
人によって適切な対処法が異なるため、医師などの専門家のアドバイスのもと、自分に合った治療法を見つけることが大切です。
まとめ
更年期の症状は、ホルモンバランスの変化と密接に関係しています。更年期における様々な症状は、まず生活習慣の見直しで改善が期待できます。睡眠、運動、ツボ押し、血流改善、食事など、日常の中でできる工夫を取り入れることで体調を整えましょう。
更年期は生涯に渡って活動的な生活を送るための機会としてとらえて、生活習慣を見直してみてはいかがでしょう。
(参考文献)
※1) CN Soares , et al. J Psychiatry Neurosci. 2008 Jul;33(4):331-43.
※2) Y Sheng , et al. Int J Physiol Pathophysiol Pharmacol. 2018 Mar 10;10(1):17-28.
※3) KN Browning , et al. Compr Physiol. 2014 Oct;4(4):1339-68
※4) H Karst , et al. Ann Nutr Metab. 1984;28(4):245-52.